つんどくっ!!

気になった本の備忘や読んだ本の紹介

岡口基一『裁判官は劣化しているのか』

岡口基一『裁判官は劣化しているのか』

 

 本の帯にはサブタイトルのように

「白ブリーフ判事の憂鬱」

とあります。

 書籍の本体に載せるには出版社(羽鳥書店)が躊躇したのでしょうか。

 

 表紙の岡口裁判官と思われる男性のイラストは、

首回りからはポロシャツを着ている風なのに、

下半身は白ブリーフをはいて上半身は裸のようにも見えるので、

ポロシャツの裾をブリーフの中に入れているのか気になるところです(笑)

 

 

 本書の問題意識としては、あとがきにあるように、

裁判官の選任・育成についての国民的議論のための裁判所内部からの情報発信

ということでしょう。

 裁判官の劣化としての問題は、若手裁判官のことが主眼にも見えますけど、

最高裁判所の裁判官・調査官の能力低下についての相当の危機感を感じます。

 

 本書の4章からなる内容のうち、第2章は民事訴訟のテクニカルな話なので、

法学部生や法律に関連する専門家の方以外は、第2章で挫折するよりも

飛ばして先に第3章に読み進んだ方が分かりやすいと思います。

 

『Q&A 弁護士業務広告の落とし穴』

深澤諭史『Q&A 弁護士業務広告の落とし穴』

 

 弁護士と弁護士事務所(ほうりつじむしょ)の広告担当者向けの書籍です。

 裏を返せば、法律事務所向けの広告やサイト作成を扱う事業者向けでもあります。

 

 弁護士広告には公益的価値がある、という本書の指摘からは、

広告の形でも、正しく有益な情報を国民に提供する専門家としての責任を認識させられます。

 

 

中前茂之『新幹線を新千歳空港に直結せよ! TPP危機を乗り越える開拓四世の北海道・真独立論』

中前茂之『新幹線を新千歳空港に直結せよ! TPP危機を乗り越える開拓四世の北海道・真独立論』

 

 6年前2013年・平成25年に出版された本です。

 積ん読のママでまだ最後まで読んでません。

 タイトルにあるように北海道新幹線を千歳空港に繋げることを主張しています。

 

 著者は、民主党衆議院議員候補者(出版当時)です。

 落選後しばらくして自民党議員秘書になったようで、現在のところはネットで検索してもよく分かりませんでした。

 

 著者の現状はともかく、千歳空港に新幹線を繋げる主張はアリだと思います。

 むしろ、わざわざ札幌駅周辺を開発してまで新幹線の駅を繋げることに一般の道民・札幌市民にとってどんな意義があるのかよく分かりません。

 千歳空港が日本の玄関口の一つになるような鉄道の政策があって良いと思います。

 

本間龍・南部義典『広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM』

本間龍・南部義典『広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM』 (集英社新書)

 

 対談形式で、日本国憲法の改正手続に関する法律(いわゆる国民投票法)の問題点を解説した新書です。

 国民投票の期日の14日前から国民投票の放送の規制がされる他は、広告についての内容や資金などの規制がされてない問題点を分かりやすく議論している本です。

 

 地方テレビ局(ローカル局)についての解説をしているところも漏れがない本だと考えます。

 

 

 

 憲法改正憲法96条)の投票がフェアにされる制度になっていない以上、

憲法改正の内容について議論する前に、国会は上記の問題点について国民投票法を改正すべきです。

 

 

澤田展人『ンブフルの丘』

澤田展人『ンブフルの丘』(北海道新聞社)

 

 著者の澤田先生は、私の高校1年生のときの現代社会の担当教諭で、高校2年生のときの担任でした。同じ高校の先輩でもあります。

 

 「ンブフルの丘」というのは、沖縄県竹富島にある丘のことだそうです。

 竹富島石垣島から船で10分くらいのところにある、水牛車に乗って島を回る観光が有名な島です。

 

 私は、那覇市で計10年(司法修習生で1年、弁護士で9年)住んでいて、その間に竹富島には何回か行っていますけど、「ンブフルの丘」は記憶が残ってませんでした。

 

 小説の内容は、竹富島ではなく小樽から始まっています。

 先ほど購入したので未読です。

 目次がないので、展開も分かりません。

 

 交通事故の加害者と児童虐待の被害者の二人の男性が主人公のようですけど、法律ものの作品ではなさそうです。

 

 「ンブフルの丘」のタイトルがどういう意味を持つのか、読むのが楽しみです。

 

 

 

 

『社長、辞めた社員から内容証明が届いています ── 「条文ゼロ」でわかる労働問題解決法』

山口県の島田直行弁護士の

『社長、辞めた社員から内容証明が届いています ── 「条文ゼロ」でわかる労働問題解決法』(プレジデント社)

は、中小企業の経営者にお勧めの本です。

 ライトノベルのタイトルのようにも若干感じる書名で、

労働トラブルがメインの本のようにも見えます。

 しかし、内容はそうではなくて、シンプルな組織論の重要なことを解説した本です。

 経営者や経営者になろうとする人、経営者にアドバイスをする立場の人(弁護士やその他の士業)には勉強になる本です。

 

 

 

上田秀人『傀儡に非ず』

上田秀人『傀儡に非ず』 (徳間時代小説文庫)

 

 荒木村重を主人公にした歴史小説ですけど、

最後の2頁で本能寺の変の謎解きをするために

荒木村重を利用した作品だと思います。

 その点で荒木村重は作者の傀儡でした。

 

塀内夏子『勝利の朝』

塀内夏子『勝利の朝』

 

 Kindle unlimtedに入っていたら無料で読めました。

 殺人事件の犯人と疑われた少年の冤罪事件を扱った作品です。

 

 作品中には、物語はフィクションで実在の人物・団体とは関係ありませんとあります。

 しかし、昭和63年に起きた「綾瀬母子殺人事件」がモデルのようです。

 

 犯人と見込みを立てた被疑者を真犯人に仕立てていく警察のやり方が分かります。

 

 冤罪でも警察は捜査の誤りを認めようとしないので、真犯人は野放しになります。

 そういうのも分かる描写もあります。

 

 漫画作品としてもスリリングで面白いです。

 

 

堤未果『日本が売られる』 (幻冬舎新書)

堤未果『日本が売られる』 (幻冬舎新書)

 

amzn.to

 

 

 正直なところ、読みかけで止まっています。

 わが国の資産や資源や国土やその他諸々が売り飛ばされていっている内容がしんどくなります。

 第3章では、国を売る動きに対して対抗する話が出ているようですけど、そこまで行っていません。

 

 

 明日(4月7日)の投票の北海道知事選の結果によっては、北海道の諸々を外資等に売るような知事になってしまうことを危惧しています。

 

 

他士業にもすすめたい『これって非弁提携?弁護士のための非弁対策Q&A』

 非弁行為について解説した書籍、深澤諭史『これって非弁提携?弁護士のための非弁対策Q&A』が一昨年の年末に出版されています。

 「非弁行為」というのは、ざっくりいうと、

弁護士・弁護士法人でないとできない法律事務を報酬目的で業として行うこと

です。


 非弁行為は弁護士法違反の犯罪です。

(弁護士法77条。法定刑は2年以下の懲役または300万円以下の罰金)



 弁護士であっても、他者の非弁行為に関与すると、刑事責任を問われたり、弁護士会の懲戒を受ける可能性があります。


 上記書籍は弁護士向けのタイトルです。

 しかし、他士業つまり司法書士行政書士、税理士、社会保険労務士などの方にも有益な書籍だと思います。
 真面目な司法書士行政書士の先生は、各士業の法律上許された権限内での業務を慎重に考えていらっしゃるので、依頼者のリクエストに応える際にお悩みになる場面があると思います。
 そのような他士業の先生には、特に上記書籍は参考になるはずです。


非弁行為が規制される意義


 弁護士ではない者が報酬目的で法律事務を業とすることが規制される目的は、

非弁業者に依頼する者や関係者の利益が害される危険があることや、

健全な法秩序の維持といった複数の目的が挙げられます。
 
 非弁行為で直接的に利益を害されるのは、そのような業者に依頼した人です。

非弁業者・非弁行為をする士業に依頼してしまうと


 適法な権限を有しない者に何かの法的問題の処理を依頼してしまうと、
適法な権限がないからこそ、適法な手段や内容で解決ができなかったり、
適法な業務でないためにかえって割り高な費用を要求されたり、
表面上は解決しても後で無効とされるおそれがあったりします。

 非弁業者の特徴として、「代理(人)ではない」ということを強調して相手方と事実上の交渉をしようとしたりします。
 わざわざ「代理人ではない」という不自然なことを言って、法的紛争に関わろうということ自体、違法な非弁行為をやっている認識があるのでしょう。
 「代理人ではない」といえば、違法な非弁行為が適法に変わるわけではありません。

 非弁行為の禁止は、代理人になるかどうかを規制しているわけではありません。


非弁業者に依頼してしまったら


 非弁業者に依頼してしまった人は、原則として弁護士法違反の罪に問われません。
 ですから、その点は心配せずに、非弁業者・非弁行為をする士業に依頼してしまったことを早めに弁護士に相談していただければと思います。

 

(マイベストプロ北海道のコラムで2018年3月26日に公開したものを加除修正しました。)

 

『とにかくさけんでにげるんだ』

 とにかくさけんでにげるんだ わるい人から身をまもる本 岩崎書店

 


 どなたの紹介記事で見かけたのかは忘れましたが、

親戚の子のために買おうと思ってチェックしていた本です。
 


 子どもの誘拐や性被害などから逃げたり被害を抱えたままにさせないための絵本です。


 タイトルの、とにかく叫んで逃げること、だけでも全ての子どもに覚えて欲しいですね。

 


 内容は重いところもありますけど、
子どもにも分かりやすい本だと思います。


 親子で読んで欲しい本です。

 

2017年12月21日 公開のマイベストプロ北海道のコラムを加除修正しました。)

 

『弁護士のひみつ』

kids.gakken.co.jp

 

 学研から弁護士のひみつという書籍が出ています。
 上記リンク先で無料で読めます。

 

 学研の「ひみつシリーズ」は、私も小学校のころは夢中で読んでいました。

 自然科学の本が多かった記憶です。

 


 『弁護士のひみつ』は、小学生向けの書籍です。

 ですが、内容はなかなか高度で、
弁護士のことを中心に裁判の基本的なことを知ることができます。

 弁護士や裁判にあまりなじみのない大人の方にもオススメです。


 この書籍は非売品で、図書館にしか置かれていないそうです。

 弁護士からすると、細かいところでツッコミたくなりはしますけど、
一般向けの作品として良い内容だと思います。

 

 

成せばなる  成さねばならぬ 何事も  成らぬは人の 成さぬ成けり

上田秀人『峠道 鷹の見た風景』 (徳間時代小説文庫)

 

 つぶれかけの米沢藩を建て直した上杉鷹山(治憲)の苦労した生涯を描いた時代小説です。


 トップの孤独や苦悩は、現代の企業経営者にも通じるものがあるように思えます。


「成せばなる 成さねばならぬ 何事も 成らぬは人の 成さぬ成けり」
の言葉が有名な鷹山ですが、
本作で触れられている言葉(伝国の辞)も重要だと思います。

 

 伝国の辞を、現代語訳してみました。


国家は先祖より子孫へ伝えるものであって、為政者が私すべきものではない。
人民は国家に属するものであって、為政者が私すべきものではない。
国家・人民のために為政者が存在するであって、為政者のために国家・人民が存在するのではない。

 

 今の日本こそまさにこの言葉が必要で、

この思いのある為政者(政治家)に政権を担ってもらいたいです。

 

 

食べたいジンギスカン・パン

野地秩嘉『世界に一軒だけのパン屋』

 

 先日、ジュンク堂札幌店で見かけて中を見て買うことにしたら、ちょうど著者のサイン本があったので購入しました。

 帯広のパン屋の満寿屋さんの話です。

 

 札幌にお店がないので、私はまだ食べたことはありません。

 

 戦後の開業から4代目社長の現在にいたる一つのパン屋さんの歴史が語られています。(テレビドラマ化されても良さそう。)

 

 パン屋業界や北海道農業のことも興味深い本です。

 ビジネス書としても参考になりそうです。

 

 

 本書の中で、カンパーニュ(フランスパン)を焼いて、バターを塗ってジンギスカンを挟むというジンギスカン・パンの話が出てきます。

 これは食べてみたいです。

 商品化(じんぎすかんぱんNOJI)されているようです。

www.masuyapan.com

 

 

 農水省の元技官が言っていることで、「『自給率』という概念、食料安保という概念は農水省が自分たちの権益を守りたいから主張している」という指摘があります(219頁)。

 なんとなく自給率は大事だし、北海道は自給率100%だと思ってたりしていますけど、省益確保の観点は意識したことはありませんでした。興味深い視点です。

 

 

 

『翔んで埼玉』

魔夜峰央『翔んで埼玉』

 

 映画化されて、公開が2月22日ということで注目されている漫画です。

youtu.be

 

 書籍では3話までしか載っておらず、映画はかなりオリジナル部分が多そうです。

 

 ギャグ漫画ですけど、魔夜作品は、ギャグの中に風刺をきかせています。

 

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『翔んで埼玉』51頁

 「自分たちの地方からも国会議員は選出されていると思っているんではないですか?」

という皮肉です。

 この台詞のコマは第2話で、初出は1983年です。

 しかし、現在にも通じるものがありますし、もしかしたら当時よりもそういう状況になっているかもしれません。

 

 2世3世4世の国会議員は、選挙区でこそ「地元」「ふるさと」というかもしれません。

 実際は、東京生まれ東京育ちで、選挙地盤を親などから引き継いだだけの人が見受けられます。

 

 東京の高級住宅街で乳母や家庭教師に囲まれて、都内の私立の小学校からエスカレーター式に大学まで行って、留学して、大企業に勤務して、親の秘書を経て、議員に、

という経歴でも、●●県の選挙区では「ここが故郷」と言うペテンは、

まさにギャグでしょうね。